お知らせ
2024.10.18
咳喘息
咳喘息と喘息は違うの?
- 咳喘息は、喘息の一つのタイプです。
- 一般的な喘息では、息苦しさやゼーゼーとした呼吸 (喘鳴)が特徴的ですが、咳喘息では乾いた咳が唯一の症状であることが多いです。
- この咳は、気道が過敏になっているために起こると考えられています。
どうやって診断するの?
- 咳喘息の主な症状は咳だけなので、他の病気との区別が難しいことが多いです。
- 症状が強い時に、専門医が適切な問診や検査を行うことで、正しい診断ができます。
- 治療の前後で症状や検査結果を比べることで、診断の精度が高まります。
どんな検査を行いますか?
胸部レントゲン: 咳喘息・喘息に似た症状を来す、他の病気がないか確認します。
血液検査: 血液中の好酸球という炎症細胞の数や、IgEという抗体の値を測定します。また、アレルギー検査を行うことで診断の精度が高まります。
気道抵抗検査 (モストグラフ): 安静時の呼吸を測定し、気道が狭くなっていないかを確認する検査です。この検査は、お子さんでも簡単に受けられます。咳喘息や喘息の患者さんでは、この検査が役立つことが多いです。一方、一般的な呼吸機能検査 (スパイロメトリー)では、異常が見られないことが多いです。
咳喘息の治療方法は?
咳喘息の治療は、通常の喘息と同じです。
• 吸入薬:
・吸入ステロイド薬 (ICS): 最も一般的な治療薬です。長期的に使用するのが一般的ですが、症状に応じて短期間だけ使用することもあります。
・気管支拡張薬: 長時間作用型β2刺激薬 (LABA) や長時間作用型抗コリン薬 (LAMA) をICSに加えて使用することもあります。発作時には短時間作用型β2刺激薬 (SABA) を使用します。
• 内服薬:
・ロイコトリエン受容体拮抗薬 (LTRA): 喘息に有効な抗アレルギー薬です。
• 貼付薬: 小児や高齢者には、気管支を広げる効果がある貼り薬を使用することがあります。
• 注射薬: 発作時にはステロイドの注射薬を使用します。
• 生物学的製剤: 標準的な治療で症状がコントロールできない場合には、生物学的製剤という特定の炎症物質を抑える抗体を注射する治療が効くこともあります。
参考文献
1.日本呼吸器学会咳嗽・喀痰の診療カイドライン2019作成委員会. 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 2019: メディカルレヴュー社; 2019.
2.日本喘息学会. 喘息診療実践ガイドライン2023: 協和企画; 2023.