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患者さまへ呼吸器内科
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2024.10.17

喘息ってどんな病気?

喘息ってどんな病気?

  • 喘息は、息が苦しくなったり、ゼーゼーとした呼吸音がしたり、夜間や早朝に咳が出たりする発作を繰り返す病気です。
  • 気道が狭くなったり過敏になったりすることで、こうした症状が現れます。
  • 症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。
  • 特に、気道に炎症があり、好酸球という細胞が増えていたり、アレルギーがある人は、喘息の可能性が高くなります。

 どうやって診断するの?

  • 喘息の診断は、他の肺の病気を除外し、症状や検査結果が喘息と一致するかどうかを確認します。
  • 喘息に似た症状を持つ病気も多いため、専門家による適切な問診や検査が重要です。
  • 治療薬で症状が改善するかも診断の手がかりになります。

どんな検査を行いますか?

喘息の診断には、以下のような検査を行います。一つの検査だけで診断するのではなく、複数の検査結果や自覚症状、治療経過などを総合的に判断します。

  • 胸部レントゲン: 喘息に似た症状を来す、他の病気がないか確認します。
  • 血液検査: 炎症細胞である好酸球の数やIgEという抗体の値を測定します。特定のアレルギー物質 (花粉、ホコリ、食物、カビ) に対するアレルギー検査を行うこともあります。
  • 気道抵抗検査 (モストグラフ): 安静時の呼吸を測定し、気道の狭さを確認する検査です。この検査はお子さんでも簡単に受けられます。
  • 呼吸機能検査 (スパイロメトリー): 息を強く一気に吐いて、肺の機能を測定する最も一般的な検査です。

 喘息の治療方法は?

喘息の治療は、症状の重症度や治療経過に応じて複数の薬を組み合わせて行います。
以下に代表的な治療法を紹介します。

• 吸入薬:
 ・最も一般的な治療法は吸入ステロイド薬 (ICS) です。長期的に使用するのが一般的ですが、症状に応じて短期間だけ使用することもあります。
 ・気管支拡張薬の長時間作用型β2刺激薬 (LABA) や長時間作用型抗コリン薬 (LAMA) をICSに加えて使用することもあります。
 ・発作時が起こった時には、短時間作用型β2刺激薬 (SABA) を使用します。
• 内服薬:
 ・ロイコトリエン受容体拮抗薬 (LTRA) という抗アレルギー薬を使用することがあります。
 ・一般的なアレルギーのお薬である抗ヒスタミン薬は、あまり推奨されていません。
• 貼付薬: 小児や高齢者には、気管支を広げる効果がある貼り薬を使用することがあります。
• 注射薬: 発作時にはステロイドの注射薬を使用します。
• 生物学的製剤: 標準的な治療で症状がコントロールできない場合には、生物学的製剤という特定の炎症物質を抑える抗体を注射する治療が効くこともあります。

 喘息はしっかりと診断・治療を行えば、症状をコントロールすることが可能です。適切な治療を受ければ、日常生活を快適に過ごせるようになります。

参考資料
1.日本呼吸器学会咳嗽・喀痰の診療カイドライン2019作成委員会. 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 2019:メディカルレヴュー社;2019.
2.日本呼吸器学会難治性喘息診断と治療の手引き第2版作成委員会. 難治性喘息診断と治療の手引き第2版: メディカルレビュー社;2023.
3.日本喘息学会. 喘息診療実践ガイドライン2023: 協和企画;2023.