至誠会第二病院 shiseikai daini hosp

東京都指定二次救急医療機関
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患者さまへ整形外科
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2024.06.17

骨粗鬆症のお話

当院にもDXA(dual-energy X-ray absorptiometry)が設置され、より正確に短時間で骨粗鬆症の診断が可能になりました。骨粗鬆症の予防と治療のガイドラインによると、診断にはDXAで腰椎と大腿骨のつけ根の両方の骨量を測定することが望ましいとされています。

すなわち、手や手首、踵で測定した骨密度は正確ではないということです。
骨粗鬆症で問題になるのは、背中や腰の骨(脊椎椎体)の圧迫骨折により背中や腰が曲がり、身長が2cm以上低下することだけでなく、転んだ時に大腿骨のつけ根(大腿骨頚部、大腿骨転子部)、手首(橈骨遠位端)、上腕骨のつけ根(上腕骨近位)、肋骨などの骨折が起こりやすくなることです。特に、脊椎椎体骨折、大腿骨頸部骨折や大腿骨転子部骨折を起こすと寝たきりになる確率が高くなります。

認知症(痴呆)が進行し手足の筋力は低下、肺炎などの合併症もおこりやすくなり、生命予後は悪化します。したがって、骨粗鬆症にならないことが理想的で、実際ならないようにすることが可能です。
そのためにどうするかというと、「私はまだ大丈夫だろう」と思わずに、早めにDXAによる検査を受けてご自分のYAM(young adult mean:腰椎では20-42才、大腿骨近位部では20-29才の骨量の平均)が何パーセントであるかを知っておくことです。80%以上あれば大丈夫です。しかしYAM70%未満では骨粗鬆症と診断されますが悲観することはありません。放置せず治療すれば、骨量は増加しYAMは改善し骨折しにくくなります。

 治療は内服か注射による薬物療法です。骨粗鬆症の治療薬の進歩はめざましく、毎日1回の内服や自己注射、週1回の内服や注射、月1回の内服薬や注射、最近では6ヶ月に1回の内服や注射が開発されています。それぞれの治療薬には特徴があり、当科では各患者様の状況に応じて治療法を選択しベストの治療を行っています。ぜひ一度、当院でDXAによる検診をお受けになり、腰椎と大腿骨のご自分の骨量を調べることをお勧めします。