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患者さまへ呼吸器内科
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2024.06.07
喘息での舌下免疫療法について
舌下免疫療法とは
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少しずつ体に取り入れて、長期間にわたって治療を行います。この治療法は、通常の薬物療法とは異なり、病気の進行を根本から変えることを目指しています。
日本での治療対象
この治療を受けられるのは、アレルギー性鼻炎 (スギ花粉またはダニによる)と診断された方です。(2024年5月23日時点)。
- スギ花粉に対する舌下免疫療法は、スギ花粉の飛散していない時期に開始します。
- ダニに対する舌下免疫療法は、いつでも始められます。
喘息患者さんの場合
- アレルギー性鼻炎を合併した喘息患者さんは、舌下免疫療法を受けられます。
- アレルギー性鼻炎がなく、喘息だけをお持ちの方は受けられません。
喘息における舌下免疫療法の効果
ダニへの舌下免疫の効果
- 喘息症状の改善
- 喘息発作の減少
- 気道の過敏性の改善
- 喘息薬の使用量の減少
- 新たなアレルギーの発症を抑制
- ダニアレルギーによる鼻炎や結膜炎の症状も改善
スギ花粉への舌下免疫の効果
- スギ花粉の季節に喘息が悪化する場合、スギアレルゲンに対する舌下免疫療法が有効です。
治療開始前に
- 医師が喘息の状態を評価したあとで、舌下免疫療法の可否を判断します。
- 重症喘息の方は、舌下免疫療法を受けられません。
ご注意ください
- 治療期間は通常3~5年かかります。即効性はありませんが、長期的な効果を目指します。
- 舌下免疫療法を毎日行う必要があります。
舌下免疫療法は、アレルゲンに体を慣れさせることで、アレルギー症状を根本から治療します。専門医の指導の下で適切に行うことが重要です。
参考資料
1.日本喘息学会. 喘息診療実践ガイドライン2023: 協和企画; 2023.
2.Global Strategy for Asthma Management and Prevention 2024: Global Initiative for Asthma; 2024.